牛の健康を考えた環境づくりや効率的な管理、
牧草づくりまで、さまざまな取り組みを紹介します。
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牛を健康にする環境づくり
北広牧場では、約550頭の牛たちが自由に動き回り寝食できる「フリーストール牛舎」を採用しています。年齢や乳量、繫殖ステージに合わせて8つの牛群に分け、ベッドサイズから餌のメニューに至るまでデータに基づく適切な環境で牛を飼育しています。
北海道の冷涼な気候は、暑さに弱い牛にとって最適な環境です。しかし牛たちは人間が思っている以上に繊細な生き物なので、できる限りストレス要素を減らすための環境づくりに努めています。毎日のベッドメイキングや清掃はもちろんのこと、大型換気扇やミスト装置導入といった牛舎内の温度・湿度を適切に保つための設備投資にも力を入れ、より良い環境を求めて日々模索を続けています。
また、酪農の三大ロスと言われる繁殖・乳房炎・蹄病への対策についても、人工授精や蹄病治療などを自分たちで行うことで迅速な対応やケアが可能となりました。今後も、更なる技術の向上を目指していきます。
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IT 技術を活かした牛群管理
広い敷地内で牛を飼育するため、牛一頭一頭のデータ、発情や病気の発見、スタッフ間のコミュニケーションなど全てのフローにIT を導入しました。これにより、今までの酪農業にはない生産性の高い環境づくりが可能になり、日本平均を大幅に上回る個体乳量と産次数・妊娠率を達成させ、高乳量かつ長命連産牛群をも実現しています。
※産次…牛のお産回数。妊娠率は牧場の繁殖成績を表す指標 -
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自社管理による人工授精・受精卵移植
北広牧場は創業以来、繁殖管理に力を入れています。精度が求められる授精業務は外部委託するのが一般的ですが、人工授精を自社で行うことで繁殖実績は向上し、よりよい牛が厳選され、牛群レベルが上がるなどの成果が出ています。
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健全なサイクルで黒毛和牛を生産
牛を健康的に飼育した証となる後継牛の余剰分は、一般的には市場等に販売することになります。北広牧場では、ホルスタインの後継牛を確保しながら、自社の受精卵移植技術を活用し、より市場価値の高い黒毛和牛の生産(和牛素牛生産)に取り組んでいます。
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⾷の安全を守るためISO22000運⽤
北広牧場では平成30 年に、北海道の酪農⽣産者として初めて⾷品安全マネジメントシステムISO22000 を取得(JAB 登録認証初)。安全な⽣乳を安定的に供給できるよう、ISO22000を利⽤した⽣産・飼育⼯程の管理、情報共有の徹底、システムの運⽤・維持を会社組織全体で進めています。
※食品安全マネジメントシステムISO22000…品質マネジメントシステムISO9001と、食品安全管理の手法であるHACCP(ハサップ)を内包した国際規格 -
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子牛にやさしくきめ細かな管理
子牛を育てる哺育舎は、1日平均1.5 頭の出産に対応できる広さがあります。外気温が−10℃を下回る冬季の寒さ対策として、ボイラーを設置。産まれたばかりで免疫力のとぼしい子牛のため、冬暖かく夏涼しい快適な環境をつくっています。日々、専属スタッフが子牛たちをこまめに観察し、健康管理をおこなっています。
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牧草づくりは、土づくりから
広大な草地面積を有効に活用し、飼料の大半を自家粗飼料にこだ わって生産しています。年に3回牧草収穫を行うため、土壌の排水性・保湿性・通気性を適正に管理し、草地を更新。日本は酸性の土壌が多く作物が育ち難い現状がありますが、毎年石灰を使い最適なPH を保ち、牧草の生育の良い土壌作りをおこなっています。